海外ETFが日本上陸

投資信託の生き残りをかけた時代がやってきました。
とうとう海外の手数料・経費の安いETFが日本に上陸です。日本の証券会社の割高な商品はよほどのリターンを上げない限り淘汰されるでしょう。

米大手運用会社のバークレイズ・グローバル・インべスターズ(BGI)は、22本の外国籍ETFを日本市場に追加投入すると発表しました。新しく追加されるETFは、MSCI、スタンダード・アンド・プアーズなどが算出している各種指数に連動するファンドで、新興国をはじめとする地域別ファンドなどが追加されます。

ETFとは、Exchange Traded Fundsの略で、証券取引所(Exchange)で取引可能(Traded)な投資信託(Fund)を意味します。日本では、TOPIXや日経平均といった株価指数と価格が連動するETFが上場されています。ETFは、証券取引所に上場しているため、株式同じように証券取引所の立会時間中はいつでも売買が可能です。 また、株式取引のように成行や指値注文が可能なほか、信用取引・貸借取引も可能です。

ETFは、上場しているとはいえ一種の投資信託ですので、一般的な投資信託と同様に信託報酬という手数料が発生します。ただ一般の投資信託の信託報酬が、低くても年0.5%前後であるのに対し、ETFの信託報酬は、多くが年0.3%程度ですので、ETFのほうが手数料は低いといえます。またETFは株式と同じように、比較的自由に取引できる一方で、投資信託は、毎日発表される基準価額での売買しかできず、ETFのほうが取引の利便性も高いといえます。

投資信託の中には、新興国を投資対象とするものがあります。新興国を対象とする投資信託は、投資対象地域を限定しているものの、個別企業を選りすぐって投資をするというよりも、投資先企業を絞り込まず、あえて投資先企業を幅広にする傾向にあります。つまり、新興国を対象とする投資信託は、新興国への投資を目的とし、新興国の経済成長の流れに乗ることを想定したファンドといえます。

以前なら日本にいながら新興国へ投資をすることは、技術的に難しく、投資金額も多額を必要としていました。こうした時代においては、新興国を投資対象とする投資信託は、少額でも新興国へ投資をするツールとして、それなりの役割を担っていたように思えます。

しかしBGIが追加するETFのように、新興国のインデックスを対象としたETFが出現する現代においては、無理に新興国を対象とした投資信託を購入しなくても、ETFを利用することで新興国の経済成長の流れに乗った投資をすることが可能となります。むしろ、先に述べたように、ETFのほうが投資信託よりも信託報酬が低く、取引の利便性が高いことを考えれば、投資家は、新興国を対象とした投資信託よりも、新興国のインデックスを対象としたETFを選ぶのは自然のことといえます。

BGIが追加する新しいETFは、すでに金融庁への届出が完了しており、早ければ10月下旬には証券会社を通じて取引が可能になるようです。遅くとも来年くらいには、新興国を投資対象とするだけの投資信託は、手数料を引き下げるか、ETFにはない独自の投資手法を投資家に示せない限り、徐々に姿を消していくと思われます。

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